はじめに
先週、レストランの開業ノウハウのアウトラインをご紹介させていただきました。
ゼロから始める!新しいレストランの作り方【完全ガイド】
本日はそのシリーズの第二弾としてコンセプト設計についてお話ししたいと思います。
レストラン開業で最も重要なのが「コンセプト設計」です。 成功するお店は、明確なターゲットと独自の強み(USP)を持っている ものです。
逆に、この工程を面倒くさがって疎かにすると、逆風に弱い、行き当たりばったりの経営をするハメになってしまうかも…。
これから開業を控えて、少しでも不安な気持ちを抱えている人のために、
この記事ではレストランのコンセプトを決めるための具体的なステップを解説します!
ステップ1:ターゲットを明確にする(誰のための店?)
「誰に来てほしいのか?」を明確にすることで、お店の方向性が決まります。
ここでは、できるだけ具体的なターゲットをイメージすると、後のステップが進めやすくなります。
- 年齢・性別・ライフスタイルを考える(例:30代女性向け、おしゃれなカフェ)
- 客単価を想定する(高級路線か、カジュアル路線か)
- 利用シーンを考える(デート向け・家族向け・ビジネス利用など)
✅ ターゲットを絞ることで、お店の個性が際立つ!
ステップ2:コンセプトを言語化する(お店のテーマを決める)
お店のコンセプトを一言で表現できるようにしましょう。
なぜ一言で表す必要があるのか。
それはこれから、いくつもの意思決定をするときの指針になるからです。
指針は短く、簡潔でなければブレてしまいますし、チームへの浸透力、伝播力も弱まります。
お店作りとは、立地、家賃、内装から制服、メニューやクリエイティブのトーン&マナーに至るまで、数多くの選択肢の中から一つを選んで、それらを組み立てていく作業です。
選択の精度とスピードを高めるために、「好み」「センス」「直感」の手助けとなるのがこの言語化となります。
- 例1:「30代女性向け、ナチュラルな雰囲気のヴィーガンカフェ」
- 例2:「サラリーマンが仕事帰りにサクッと寄れる立ち飲み焼鳥屋」
✅ コンセプトが明確だと、意思決定の精度が増し、お客様に伝わりやすくなる!
ステップ3:競合との差別化(独自の強みを作る)
「なぜお客様があなたの店を選ぶのか?」を考えます。
マーケティングや営業の考え方の教材として、裸足で生活するアフリカの国に行ったセールスマンのエピソードがありますが、
今、日本で飲食店を開けば、大小様々な競合他社とぶつかることになるでしょう。
日本の飲食店はリーズナブルな価格であっても味の質が高く、サービスのレベルも高いために、シェアを分け合っている飽和状態と言えます。
靴を履いていない人はどこにもおらず、綺麗な靴や機能的な靴など、種類の差や価格の違いで勝負しているような状態です。
そんな市場の中で、あなたのお店はどんな立場でお客様をつかんでいけばいいでしょうか?
綺麗なお店、機能的な料理、価格の安いお酒、などその土地のニーズと将来性を加味して、蓋然性のある仮説を立てることが最も重要です。
- 競合店の分析(価格帯・メニュー・雰囲気)
- 自店の強みを作る(例:産地直送のオーガニック野菜使用)
- ターゲットの悩みを解決する(例:低カロリーで健康志向の料理)
✅ 差別化ポイントが明確なほど、集客しやすくなる!
競合ポジションを考えるための四象限マトリクス
レストランのコンセプト設計では、「既存のものを工夫するのか、新しい市場を創るのか」という視点が重要です。
前のステップで出てきたアイデアを整理するために、下記のようなマップを作って、自分たちがやろうとしていることを可視化し、言語化&客観視してみましょう。
既存のものを工夫 | 世の中にないものを作る | |
独自市場を狙う | ユニークな改良(ニッチ戦略)
例:ヴィーガンラーメン |
新しい市場を創造(ブルーオーシャン戦略)
例:サブスクペットレストラン |
流行や既存市場を活用 | 伝統×工夫(ローカル強化戦略)
例:地元食材の新解釈郷土料理 |
流行を活用(トレンド戦略)
例:韓国グルメ専門店 |
難易度とリターンのバランス
四象限の各戦略は、難易度とリターンが必ずしも比例しません。
あくまでも一般的な参考値ですが、以下のようにまとめられそうです。
まとめ
✅ ターゲットを明確にする(年齢・性別・ライフスタイル)
✅ コンセプトを一言で言語化する(伝わりやすい表現を意識)
✅ 競合との差別化を考える(他にない強みを作る)
✅ 市場調査で需要を確認する(リサーチとテストが重要)
✅ 難易度とリターンのバランスを見極める
次回は 「資金計画と資金調達」 について詳しく解説します!